鐵 百合奈

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集

 CD10枚を上巻・下巻に分けて発売

 8つのテーマによって、劇的な生涯を辿るベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集

の下巻のご案内!

  ピアニストにして文筆家・研究者でもある鐵百合奈による、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集(上下巻 各5CD)は美竹清花さろん(東京・渋谷)で開催されたベートーヴェン/ピアノ・ソナタ全曲演奏会と並行して録音されました。

 鐵百合奈自身による曲の解説は好評で、ピアニストと研究者の複眼的な視点から、曲の分析にとどまらず、演奏解釈の根拠や背景を、運指の提案も含めて具体的に示しており、ピアニストは言うにおよばず、指揮者を筆頭とするすべての演奏家や、研究者、音楽愛好家にとっても、CDの演奏を聴き、読むことでベートーヴェンの核心に近づくことができる画期的な全集の完成です。

  収録のホールは上下巻6会場ですが、下巻では東京オペラシティ コンサートホールと最終録音ではオーブン間もない桐朋学園宗次ホールで収録しているのも聴き所です。

上、下巻とも5枚組特製ケースを使用しています。


 「ベートーヴェンのピアノ・ソナタは、二百年ほど前に書かれたにもかかわらず、今でもさまざまな発見に満ちています。ベートーヴェンのソナタは、作品内でも作品相互間においても複雑な相関関係を持ち、互いに註釈しあっています。そのため、独自の視点からプログラムを組みました。ベートーヴェンの魂を映し出したような8つのテーマによって、その劇的な生涯を辿ります。」                                                                       鐵 百合奈 

 


下巻 CD6-10 NF29508/12(5CD)

【精神 Spirit】CD6第29番「ハンマークラヴィーア」、第19番、第20番  CD7第7番、

東京オペラシティ コンサートホール 2020年12月 スタインウェイD-274

【歌のかなた Beyond the Song】第9番、第10番、第30番  CD8第24番「テレーゼ」

三鷹市芸術文化センター「風のホール」 2021年4月 ベーゼンドルファー275

【いずこへ Whereto】第16番、第18番「狩り」  CD9第17番「テンペスト」、第31番

三鷹市芸術文化センター「風のホール」2021年12月 ベーゼンドルファー275

【幻想 Fantasy】第13番  CD10第14番「月光」、第25番、第32番

桐朋学園宗次ホール 2022年2月 ベーゼンドルファー290 インペリアル

 

 

上巻 CD1-5

 

【受苦 PassionCD1 23番「熱情」、第12番「葬送」、第1番、第22

【あこがれ LongingCD2 28番、第15番「田園」、第2番 CD3 27番、

【構築を求めてSeeking Construction21番「ワルトシュタイン」、第11番 

                 CD4 3番、第6番、 

 【悲しみ Sorrow】第26番「告別」CD5 8番「悲愴」、第5番、第4

 

NF29503/75CD)希望価格:6,000円  

特製CD5枚入りケース                

発売日:2022年3月25

 

録音会場&使用ピアノ

【受苦】美竹清花さろん 20192月 スタインウェイB-211

【あこがれ】三鷹市芸術文化センター 20195月 

                                ベーゼンドルファー 275                        

【構築を求めて】相模湖交流センター 20199月 

                                ベーゼンドルファー 275 

【悲しみ】LLCホール 20203月   スタインウェイD-274

豪華解説書 48P

終わりなき挑戦                      土田英三郎

                     (東京藝術大学 名誉教授:音楽学

ベートーヴェン/ピアノ全集に寄せて  鐵 百合奈                

プログラム・ノート           鐵 百合奈 

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NF29508/125CD)希望価格:6,000

発売予定日2023年321

 

 


 

鐵 百合奈 Yurina Tetsu, piano

 

2019年、N&FよりデビューCD「シューマン:ピアノ・ソナタ3番 ブラームス:左手のためのシャコンヌ」をリリース。「レコード芸術」で準特選盤、毎日新聞で特薦盤に選ばれる。2021年には2枚目のCD「シューマン:ピアノ・ソナタ2番,1番」が、「レコード芸術」で準特選盤、毎日新聞や「音楽現代」などで特薦盤、推薦盤に選ばれる。

2019年よりベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏シリーズを「美竹清花さろん」にて開催、NHKからドキュメンタリーが放映される。

多くのリサイタルを開くほか、読売日本交響楽団、東京交響楽団、広島交響楽団などオーケストラとの共演も多い。三井住友海上文化財団の派遣アーティストとしても演奏活動を行っている。

86回日本音楽コンクール第2位、岩谷賞(聴衆賞)、三宅賞。第4回高松国際ピアノコンクール審議員特別賞。第20回日本クラシック音楽コンクール高校の部第1位、グランプリ。第11回大阪国際音楽コンクール、第14回ローゼンストック国際ピアノコンクール、各第1位。 2015年、皇居内桃華楽堂において御前演奏を行う。2017年度香川県文化芸術新人賞受賞。

ヤマハ音楽振興会、よんでん文化振興財団、岩谷時子 Foundation for Youth、宗次エンジェル基金より、奨学金の助成を受ける。

学術面では、論文「『ソナタ形式』からの解放」で第4回柴/田南雄音楽評論賞(本賞)を受賞、翌年「演奏の復権:『分析』から音楽を取り戻す」で第5回同本賞を連続受賞。

東京藝術大学附属音楽高等学校、同大、同修士課程、同博士後期課程を修了、論文「演奏解釈の流行と盛衰、繰り返される『読み直し』:18世紀から現在に至るベートーヴェン受容の変遷を踏まえて」で博士号を取得。2020年より桐朋学園大学院大学専任講師に就任。

公式サイトhttp://yurinatetsu.com/ 

喜 び と 影
 シューマン ピアノ・ソナタ第2番、第1番

 鐵 百合奈のCD第2弾は、シューマンのピアノ・ソナタ第2番と第1番を収録、デビュー盤の第3番と合わせて、シューマンのピアノ・ソナタ全3曲が完成しました。

  シューマンの最初のソナタである第1番は、初版では「フロレスタンとオイゼビウスによるピアノ・ソナタ、クララに献呈」と表記され、シューマンの名を秘しています。

 フロレスタンとオイゼビウスは、シューマンの情動的な面と思索的な面を表す、シューマンが創造した分身であり、分裂していると言われているシューマンを象徴する存在と言えます。

 献呈されたクララは後年シューマンの妻となりますが、クララの父であり、シューマンの恩師でもあるヴィークから2人の仲を強烈に妨害され、裁判沙汰にまでなっていました。しかし、クララは献呈されたこのソナタを、シューマンの意に答え、作曲された2年後の1837年8月にライプツィヒで開いたリサイタルで弾き、その直後に手紙で結婚を承諾しています。

 第2番は1830年から1838年にかけ8年の年月をかけ推敲を重ね、クララの助言も受けながら完成させていて、シューマンのソナタの中ではもっとも洗練されたソナタと言われています。

 このCDでも鐵百合奈自らが曲の解説などを執筆しており、2番のソナタについて「内容の深さ、凝縮された精神性に目が醒める思い。あえて音量を絞ることで感情表現が激化する箇所が多々ある」と述べています

 シューマンの音の喜びは同時に影であ り、シューマンの矛盾する2つの側面を一つの響きの中に表現するには、演奏者に稀有な感性と才能が要求されます。

 その要求に鐵 百合奈は見事に答えていると言えるでしょう。

 

シューマン

ピアノ・ソナタ第2番 ト短調 Op. 22     

ピアノ・ソナタ第1番 嬰ヘ短調 Op. 11

 

鐵 百合奈(ピアノ)

ピアノ・ソナタ第2番、第1番

 

CD:NF29502

 希望価格 2,800円+税

2021年6月25日発売

録音: LCCホール(千葉県)

        2020年6月25日、26日  

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感性、理性、そして美
 鐵 百合奈 デビュー

 鐡 百合奈のデビューCDには、弾いていると涙が溢れてくるというシューマンのピアノソナタ 第3番 「大ソナタ」と、有名なバッハの「シャコンヌ」をシューマンを師とも仰ぐブラームスが左手のための編曲した2作品を収録している。

 

 鐡は2017年第86回日本音楽コンクール本選はサン=サーンスのピアノ協奏曲第2番を弾き第2位を得たが、第3予選で弾いたのがシューマンのピアノソナタ第3番で、演奏の深さ、ロマン性の豊かさで審査員たちを驚かせたという。さらに驚くべきは、2017年と2018年に柴田南雄賞本賞を以下の評論で2年連続受賞していることだ!

  『ソナタ形式』からの解放」(2017年)、

  『演奏の復権:「分析」から音楽を取り戻す』(2018年)

 

 このCDでも鐡が自らライナーノーツを執筆しており、以下はそこからの一部の引用である。

 シューマンのピアノソナタ第3番は、1835年に恋仲になったシューマンとクララは恋仲になったが、父は二人の交際に猛反対し、二人の仲を裂こうとした。この苦難の時期に、ロベルトはとめどなく溢れるクララへの愛をそのまま音にした5楽章からなるピアノソナタを作曲し、さらに大幅な改訂がなされ、4楽章構成の『グランドソナタ第3番』として1853年に出版された。

 付点のリズムとC-B-As-G-F(ドシラソファ)の5度下降の音型を特徴とする「クララ・ヴィークの主題による変奏曲風」の楽章が中心に据えられ、クララへの狂おしいまでの恋慕に満ちている。

  「左手のためのシャコンヌ」は、ブラームスが他のショパン、ウェーバとバッハの作品の編曲集である『5つの練習曲』の中の第5番としてシャコンヌを編曲したものである。敬愛する師シューマンの妻クララへ捧げられ、この頃、偶然にも右手を痛めていたクララは大変喜んだ。

  左手だけで奏する難しさによって、より指先の感覚が鋭敏になる。一音一音に集中すると、耳の中で無限に和声が広がりだす。現実の音として聴こえないからこそ、想像の幻の音が、無上の美しさで訪れる。原曲のヴァイオリンの音域ではなく、左手の低音域に編曲されたこともあって、倍音が豊かに響く

  鐡の作曲家や作品に対する鋭い洞察力、分析力が、情感豊なこのCDの演奏にも溢れている。

 

シューマン

ピアノソナタ 第3番 へ短調 作品14「大ソナタ」(1853年版)

J.S.バッハ=ブラームス

左手のためのシャコンヌ Anh.Ia/1                                              

                                                                  

鐡 百合奈(ピアノ)

 

高音質CD:NF29501

   希望価格 2,800円+税

   2019年4月20日発売

   録音: 神奈川県立相模湖交流センター 

     2018年10月11、12日  DSD to finest CD

 


                オフィシャル・プロモ・ビデオ

                 鐵 百合奈 デビュー