須田祥子 Viola

 

3タイトル(発売逆順) 

音のドラマ!
魔王、ロメオとジュリエット

 須田祥子/ ビオラは歌う3

   最も声に近いと言われるヴィオラの “歌う”楽器としての特色を生かした須田祥子の

「ビオラは歌う」シリーズの3作目です。

 1作目ではプッチーニとブラームス、2作目ではプッチーニに加えシューマンそして3作目では、いよいよ歌曲王シューベルトの登場。しかも世界的にも珍しいヴィオラ版「魔王」を収録しており、「魔王」に登場する4つのキャクターとドラマを、美しく多彩な音色と表現力を持つヴィオリスト須田祥子が見事に弾きわけています。今までエルンストなどヴァイオリン編曲版はありましたが、須田の演奏で聴くと、ドラマを表現する上でヴィオラがよりふさわしいと感じさせます。

 バレエの大定番プロコフィエフの「ロメオとジュリエト」は以前からコンサートでとりあげ、満を持してレコーディングに取り組んだだけあって、この作品でもまるでストーリーが見えてくるかのようなアプローチとこだわりが強く感じられます。

 英国の女流作曲家クラークのヴィオラ・ソナタは、作曲コンクールでブロッホとヒンデミットの作品より優れていたにもかかわらず、女性であったために優勝を取り下げられたという曰く付きの作品ですが、今やビオラの代表的な傑作として認知されるようになりました。同じ女流ヴィオリストでもあったクラークに共感した須田の深い思いがこの演奏から熱く伝わり、決定版ともいえる名演になっています。 

日本の作品が2曲収録されています。「落葉松」は合唱の名曲であり「赤とんぼ」は童謡ですが、いずれも日本の情景と日本の心を表しており、後者はこのCDのために松本望が編曲しています。

小品が含まれると「聴きやすい小品集」と軽く受けとられがちですが、このアルバムでは曲の大小を問わずこの楽器が持つ“音の本質”と“可能性”を模索し、小品の枠を超えたヴィオラの曲として真正面から向き合う骨太な演奏になっています。

 3度のレコーディングを経てさらに深く熟成した、須田祥子の今をお聴きください。

⭐︎ヒンデミットが実際に使っていたヴィオラと弓を使用しています。

内に外に烈しい音楽を紡ぐ、須田さんの演奏美学がストレートに伝わってくる。

 馥郁たる響きが舞う。聴こえてくるのではなく、舞うのだ。(奥田佳道)

ビオラは歌う3  

1. シューベルト:魔王

2. シューベルト:君こそは憩い                                       

   プロコフィエフ:

3. バレエ組曲「ロメオとジュリエット」抜粋

4. 小林秀雄:落葉松                                                  

5. クラーク:ヴィオラ・ソナタ

6. 山田耕筰:赤とんぼ

   須田祥子 (ヴィオラ)

   松本 望 (ピアノ)

■ CD:MF25903 定価:¥2,800+税

    発売日:2019年6月25日予定

    録音:2018年3月20-23日 神奈川県立相模湖交流センター  

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さらなる進化!
ジョビン、ニーノ・ロータの作品を含む意欲作

 須田祥子/ ビオラは歌う2〜星は光りぬ/ルイーザ

 報道ステーションの生中継ライブで、「星は光りぬ」を演奏した須田祥子注目の第2弾です。

 ヴィオラを歌わせたら日本屈指の実力を持ち、多種で色彩感ある音色を持つ稀有なヴィオリスト 須田祥子、今回も「うた」をテーマに掲げる一方で、ヒンデミットのソナタを収録しています。プッチーニのオペラ・アリア「私のお父さん」(ジャンニ・スキッキ)と「星は光りぬ」(トスカ)からスタートし、映画音楽「黒いオルフェ」で知られるジョビンの「ルイーザ」と、うたに由来する曲が3曲つづきます。そのあとは、ヴィオラのために書かれたオリジナル3作品で構成されており、映画音楽の名匠ニーノ・ロータの「インテルメッツォ」、シューマンの4曲からなる「おとぎの絵本」、そしてヒンデミットのヴィオラ・ソナタ(1939)がつづきます。

 ヒンデミットは生涯に3曲のヴィオラ・ソナタを作曲しており、デビューCD「ビオラは歌う」(MF25901)には、1919年に作曲された最初のヴィオラ・ソナタ へ長が収録されていましたが、このアルバムには実質第3番にあたるヴィオラ・ソナタハ調(1939)が収録されています。

 ヒンデミットは、シューマンやブラームスなどのロマン派の音楽を否定するかのように、独自の調整理論を展開し、新古典主義、あるいは新即物主義といわれる作曲技法を確立しましたが、このアルバムではシューマンにつづいてヒンデミットが置かれているのも興味深いところです。

 ヒンデミットの作風はヒトラーからはきらわれ、ドイツ人であるにもかかわらず「退廃音楽」の烙印を押されて、フルトヴェングラーの必死の擁護の甲斐なく、1938年にスイスに亡命しています(ヒンデミット事件)。亡命の翌年に完成されたこの作品は、ヴィオラの機能を大胆に生かしながら、時代の様相も反映した、まさにヒンデミットならではの密度の濃い作品となっています。

 ヒンデミットのあとは、アンコールとしてシューマンの歌曲集ミルテよりハスの花を収録しています。

 2度のレコーディングを経てさらに進化した、須田祥子の今をお聴きください。

*ヒンデミットが実際に使っていたヴィオラと弓を使用しています。

 

テレビ朝日の報道ステーションで、野外からライヴで放映されました。

 

 

「星は光りぬ」をソロで演奏。長野県木曽町、白川氷柱群 2016年1月29日


 

     須田祥子/ビオラは歌う2

     1. プッチーニ:私のお父さん~歌劇「ジャンニ・スキッキ」

     2. プッチーニ:星は光りぬ~歌劇「トスカ」

     3. ジョビン:ルイーザ

     4. ロータ:インテルメッツォ

     5. シューマン:おとぎの絵本 作品113

     6.ヒンデミット:ヴィオラ・ソナタ(1939)

     7. シューマン:ミルテよりハスの花

     須田祥子(ヴィオラ)

     松本 望(ピアノ)

 ■ CD:MF25902 定価 ¥2,800+税

    発売日:2016年5月25日

     録音:2015年7月6、7、8日 神奈川県立相模湖交流センター

 

須田祥子ファースト・アルバム
槇原敬之の「ビオラは歌う」を収録

 須田祥子/ ビオラは歌う

須田祥子はヴィオラを歌わせたら日本屈指の実力を持ち、多種で色彩感ある音色を持つ稀有なヴィオリストです。そのヴィオラの特色を余すところなく生かすべく、このCDはひとつのコンサートのように多彩な内容で構成されています。

 作曲家の生まれた順に配置し、出身国もヴァラエティに富んでおり、ブラームスの歌曲からスタートし、プッチーニのオペラ・アリアへとつづきます。

プログラムの中心には、ヒンデミットのヴィオラ・ソナタを据えています。ヒンデミットはヴィオラの名手で、ヴィオラの作品を数多く残していますが、ヴィオラ・ソナタは比較的初期の作品で、ロマンティックな要素を残しています。「ヴィオラを知り尽くした人の作品なので、指が並ぶように書かれていて、ストレスがない」と須田は言います。しかも、須田弾いているのは、ヒンデミットが実際に使っていたヴィオラと弓であり、このソナタを弾いていると「楽器と弓が演奏を導いてくれる」と須田は語っています。

 ピアソラの《2つの小品》は、1949年(28歳)の作品で、しかも、ピアソラが作曲した唯一のヴィオラのオリジナル作品です。おそらく、現在唯一のCDとなります。

 アルバムの最後には美しいメロディーと、優しいメッセージで日本を代表するシンガーソングライター、槇原敬之「ビオラの歌」が収録されています。

「ビオラは歌う」は、NHKテレビ「みんなのうた」で歌われた作品で、遅れてきたビオラ抜きで始めた練習。でもビオラがいないと何か調子がでない。ビオラが加わるといつものようにオーケストラは高らかに歌い出す。ビオラは他の楽器を活かし、支える役回りだったということをみなが知る。「人は他の人を支え、輝かせて、誰かの為になれる事が、とっても幸せなことだ」というメッセージを歌い上げた曲で、このCDではヴィオラとピアノで演奏されています。

 「ビオラは歌う」はこのCDのタイトルにもなっており、須田の生き方とも重なります。


 

須田祥子/ビオラは歌う

 

ブラームス 

 ①歌の調べのように 作品105-1 ②わが恋は緑 作品63-5 ③5月の夜 作品43-2

プッチーニ

 ④冷たき手を~歌劇「ラ・ボエーム」 ⑤歌に生き、恋に生き~歌劇「トスカ」

 ⑥誰も寝てはならぬ~歌劇「トゥーランドット」

ヒンデミット

 ⑦ヴィオラ・ソナタ 作品11-4

ミヨー

 ⑧ヴィオラ・ソナタ 第1番~アントレ

ピアソラ  

 ⑨2つの小品~ ⑨夜 ⑩タングアーノ

槇原敬之

 ⑪ビオラは歌う

 

須田祥子(ヴィオラ)

松本 望(ピアノ)

CD:MF25901 定価 2,800円(税込)

発売日:2014年4月22日

録音:2013年8月28、29日 神奈川県立相模湖交流センター

録音方式:DSD to finest CD


■須田祥子/Sachiko Suda

 6歳よりヴァイオリンを始め、桐朋学園大学在学中にヴィオラに転向し、98年同大学を首席で卒業。これまでにヴァイオリンを室谷高廣、ヴィオラを岡田伸夫の両氏に師事。

97年、第7回日本室内楽コンクール、99年、第7回多摩フレッシュ音楽コンクール、

同年、第23回ヴィットリオ・グイ国際室内コンクール、2000年、第2回淡路島しづかホールヴィオラコンクールの全てのコンクールで第1位優勝。

皇居内御前演奏会、トッパンホールランチタイムコンサート、日本演奏連盟リサイタルシリーズ、FMリサイタル、NHK「きらクラ」、B→C、ヴィオラスペース等数多くの演奏活動や、ソリストとしても多くのオーケストラと共演している。特に、「日本の作曲家2001」及びアンサンブル金沢との演奏など、NHK-FMでも紹介され高い評価を得た。国内の数多くのオーケストラに首
席として客演している他、宮崎国際音楽祭、鎌倉ゾリスデン、サイトウ・キネン・オーケストラ等に度々出演。

 20155月の「題名のない音楽会」及び201611月の「らららクラシック」のヴィオラ特集、同月の「題名のない音楽会」の「弦楽四重奏特集」に出演。また20161月には「報道ステーション」で白川氷柱群の前からヴィオラだけのソロ演奏が生中継された。

現在、東京フィルハーモニー交響楽団首席奏者、洗足学園大学非常勤講師。ヴィオラ演奏集団「SDA48」主宰。