神谷郁代 Pf

3タイトル(発売逆順)

心に沁みわたる
 神谷郁代プレイズ・シューベル 

マテウス・シュタイン(1820年頃ウィーン)とスタインウェイの弾き比べも!

 

 神谷郁代のfine NFレーベル第3弾は、神谷初のシューベルトです。

ベートーヴェンの演奏と録音には豊富な経験を持つ神谷ですが、ベートーヴェンを尊敬してやまなかったシューベルトを録音したいという、神谷の強い希望により実現したもので、ピアノ・ソナタ第21番と即興曲集作品90から3曲を収録しています。

第21番は、死の世界を歩いていたシューベルト最後の年のソナタですが、神谷は持ち味である、静寂さと透明な響きで、深々と歌い上げていきます。

収録は響きの良さで定評のある神戸新聞松方ホール、ホールトーンと一体となった天上の響きが随所に聴かれます。

エクストラ・トラックにはシューベルト時代のピアノ・フォルテであるマテウス・シュタインと、スタインウェイD274による「楽興の時」の聴き比べを収録しています。マテウス・シュタインは弦の張力がスタインウェイの約四分の一程度(16~20kg)と弱く、タッチは軽く敏感で、指先に細い弦が直接触れるような感触が特色で、この感覚が他のピアノ・ソナタや即興曲にも生かされた演奏になっています。

なお、fineNFレーベルは創設以来、ハイブリッドSACDを中心に発売してきましたが、本ディスクよりCDとSACD(Stereo+5.1 Surround)の2種類を分離して発売することにいたしました。

SACDの本格的な普及を願ってのことです。


神谷郁代プレイズ・シューベルト

1. ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960

2. 即興曲集 作品90, D.899

    第2曲 変ホ長調、第3曲 変ト長調、第4  

    曲 変イ短調

★エクスト・トラック 

3. 楽興の時 D.780 第3曲 ヘ短調  

マテウス・シュタイン(1820年頃ウィーン)

とスタインウェイの弾き比べ 

 神谷郁代 (ピアノ) 

■SACD: NF60503 (Stereo+5.1 Surround)  CDプレイヤーでの再生不可 希望価格:4,000(税込)  

■CD: NF20503 (DSD to finest CD) 希望価格:3,000円(税込) 

   発売日:2008年8日10日予定 

   録音:2007年9月24,25,27日 神戸新聞松方ホール(兵庫県)

 



神谷郁代 、音楽の原点を弾く
初のバッハ録音~インヴェンション、イタリア協奏曲

3種ピアノの弾き比べつき(SACD層のみ)

 

 音楽の原点とも言えるバッハの作品の数々を、ぺタルに過度に依存することなく、ホールの自然の残響を生かすことにより実現した至福のバッハです。

 曲目はイタリア協奏曲、パルティータ第1番とインヴェンション(CD層のみ収録)とシンフォニアで、20枚以上のリリース実績のある神谷郁代初のバッハ録音となります。

 録音会場の三鷹市芸術文化センターには、創立以来ベスト・コンディションに調整・保管された3台のコンサート・グランド・ピアノがあり、神谷郁代自身による事前の選択で、べーゼンドルファー 275で収録しましたが。ヤマハとスタインウェイ(NY)にもそれぞれの良さがあることから、エクストラ・トラック(SACD層のみ収録)として3種のピアノの弾き比べを収録しています。

 

一直線で、水平に伸びた腕と指。

この基本姿勢から、静寂さと輝かしさを合わせ持つ

極上の響きが、ホールの隅々まで広がる。

                       使用楽器:ベーゼンドルファー275 


J・Sバッハ

1. イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV.971

2. パルティータ第1番 変ロ長調 BWV. 825

3. 2声のインヴェンション15曲 BWV772-786

   (CD層のみ収録) 

4. 声のインヴェンション(シンフォニア)15曲 BWV787-801 

 エクストラ・トラック(SACD層のみ収録) 

 3種ピアノ弾き比べ     

5. イタリア協奏曲 ~ 第1楽章 – 第2楽章(一部)

  1. YAMAHA CFIIIS  2. STEINWAY & SONS D-274(New York)3. Bösendorfer 275                    

    神谷郁代(ピアノ)

■ハイブリッドSACD: NF60502  希望価格 4,500円( 税込)3種信号入り

   発売:2003年12月1日

   録音:2003年8月27-29日、三鷹市芸術文化センター・風のホール 齋藤宏嗣氏録音評10.0


天然の響き

  ピアノには響板(Soundbord)もあり、楽器自体が良く響くように改良されてきました。

 したがって、残響の乏しい会場で演奏しても、弦楽器と比べるとピアノはそこそこ響きます。

 また、ピアノにはペダルあり、指が鍵盤を離れてもペダルを踏むことによって音が切れない仕組みになっています。ペダルを踏むと弦の響きを押さえているダンパーが一斉に上り、すべての弦が開放されるので、倍音の原理で他の弦も共鳴します。しかし、このことがピアノの響きを豊かにする反面、ペダルの使用を誤ると音が混濁することになりかねません。

 響きを作るもう一つ大切な要素があります。それはホール固有の持つ響き、残響です。 

 ウィーン・フィルはムジークフェラインザールの豊かな残響を活かしきって、あの黄金の輝きのある伝統のサウンドを磨き上げてきました。

 ピアノだって、ホールの固有の残響を活かした響きが美しいはずです。

 ピアノの極上の響きを、ホールの空間と共に作って録音したいというのがこのディスク制作の願いでもあります。

 バッハを選んだのは、ペダルの使用はもちろん、強弱やテンポなどほとんどすべてが演奏者の感性に委ねられているからです。

 ショパンにせよ、リストにせよ、ラフマニノフにせよ、後年イロイロナ校訂者が、ピアノの指使いやペダル記号などを書き込んだりしています。 

 ペダルは演奏する空間により臨機応変に変えられるべきなのに、踏みすぎの傾向があるのではという大いなる疑問がありました。

 収録した三鷹市芸術文化センター・風のホールで、イタリア協奏曲の冒頭を弾き始めた神谷郁代は「このホールはとても良く響くわね。ペダルはほとんど使わなくても良いみたい」とつぶやきました。

 この録音では、最低必要な箇所以外にはペダルはあまり使用されていません。 

 

神谷郁代初のバッハ 

 20枚以上録音を重ねている神谷郁代の、初のバッハ録音です。

 バッハは音楽の原点に戻るという意図で、当方で録音を強く希望しました。

 さらに、音楽の原点中の原点とも言えるインヴェンションを提案したところ、快く引き受けていただきました。パルティータ1番は彼女の強い希望で収録したものです。

 イタリア協奏曲はシンフォニックな作品であり、ピアノとホールの一体となった響きを得るのに最適と思い選曲しました。

 

一直線

 カヴァーの写真を選んでいたとき、演奏している写真を指して、「腕と指が水平に一直線に伸びているでしょう。これが私の基本姿勢なの」と神谷郁代。

「誰に教わったのですか?」「井口愛子先生が、指を伸ばして弾く奏法もあるのよとアドヴァイスを下さったの。手の小さかった私は、指を伸ばして弾く方が自分に合うと思ったんです。」

 この話を聞いて少なからず驚きました。

 指を伸ばす奏法はショパン、レヴィ、コルトーや、ラフマニノフ、ホロヴィッツなどフランスやロシアから発展して、世界に広まったと思われます。今でこそ常識となりつつありますが、指を丸くというのが今までの日本の主流でした。

 神谷郁代の年代で指を伸ばす奏法を身につけた日本のピアニストは稀であり、私はてっきりドイツに留学して体得したものと思っていました。

 このことが神谷郁代のその後にどれだけ恩恵をもたらしたか計り知れません。 

 もちろん彼女の日頃の努力の賜物ですが、いくら努力しても間違った奏法で彼女の年齢(失礼)まで、第一線のピアニストとして活動することは困難です。  

 神谷郁代の音楽の基本は、どこまでも透明で、静寂なピアニシモにあります。ピアニストに限らず、正しい奏法と良い耳と感性を併せ持った音楽家にのみ出すことのできる、至高の境地と言えるでしょう。

 

名門モスクワ放送交響楽団との夢の共演
ベートーヴェン4番とグリークの協奏曲

この2曲は、私の大好きなピアノ・コンチェルトです 神谷郁代

 

今年創立70周年を迎える(1931-)ロシアの名門。オルロフ(1931-37),ゴロバーノフ(1937-53),ガウク(1953-61),ロジェストヴェンスキー(1961-74)を経てフェドセーエフ(1974-)が現音楽監督。晩学のフェドセーエフの薫陶を受けて、ソ連崩壊後も着実に実力を上げ、<雄大な大地の香りと、民族色豊なロシアの伝統のサウンド>を一層成熟させている。1992年チャイコフスキー演奏の優秀性が認められ、ロシア文化省などより「チャイコフスキー記念」の称号が与えられた。

小松長生(指揮者)CHOSEI KOMATSU

東京フィルに正指揮者。リヴォフ国立歌劇場首席客演指揮者。

東京大学からイーストマン音楽大学に進みエクソン指揮者コンクールで優勝(85年)

 バッファロー・フィル、ボルティモア響、カナダ・キッチナー=ウオータルー響の指揮者を歴任。プラハ放響、ケルン放響、モントリオール響など世界のオーケストラ

との共演も多数経験。今回の録音のモスクワ放響起用は小松の推薦によるもの。

神谷郁代(ピアノ)IKUYO KAMIYA

今年デビュー35周年を迎える、わが国を代表するピアニスト。

今までにBMGを中心に20枚程のCDをリリース。

 

この2曲は、私の大好きなピアノ・コンチェルトです 神谷郁代

 

神谷さんの音楽がもっている静寂さのようなもの、

聞くうちに気持ちが落ち着く透明な感じが好きだ 山田洋次 


 モスクワ録音

   1. ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調作品58

   2. グリーク:ピアノ協奏曲イ短調 作品16s  

   神谷郁代(ピアノ)

   チャイコフスキー記念モスクワ放送交響楽団 小松長生(指揮)

■ハイブリッドSACD: NF65101 

   希望価格 4,500円( 税込)3種信号入り

  齋藤宏嗣氏録音評10.0